ナツメブログ

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ありがとうのおすそ分け、あなたの笑顔を待っている人がいます

20年ほど前のことです。若い頃に住んでいた町を歩いていたら「すみません・・・」と遠慮がちに声をかけてこられたおばあさんがいました。お顔だけは覚えていましたが、住所も名前も知らない方です。

「あなた、もしかして子どもさんを散歩させながら、編み物をされていた方ではありませんか?」と尋ねられました。

そういえば私が新米ママさんだった頃は、よくそんなことをしていましたね。子供はしっかり外で遊ばせてやりたい、でもじっと待っているだけでは時間がもったいない・・・というわけで閃いたのが編み物をすることだったのです。

これだといつでも、どこでもすることができます。危険もないし邪魔にもなりません。子供が遊びはじめた所や遊園地で、ルンルン気分で、一枚、また一枚とセーターを編み上げだものでした。

でもそんな昔の私の習慣のことをこの方は何のために今話しておられるのだろう・・・と、とても不思議に思いましたね。おばあさんとは、道で出逢う度に「おはようございます」「こんにちわ」と笑顔で挨拶をかわしていただけですから・・・。

「ところでご用は何ですか?」と聞くわけにもいきません。しばらく待っていたら、おずおずとこんな話を切り出されました。しかも涙を流しながら・・・。

「私のような不細工な、みすぼらしい年寄りに声をかけてくれる人は誰もいませんでした・・・。でも、あなただけは違った。いつ、どこで会ってもいつも笑顔で私に声をかけてくれました。ありがとうございます。私はそれが嬉しかったのです」と。久しぶりに私を見かけたので、懐かしくなって声をかけてしまったと言っておられました。

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子供の頃の私は「ハイ」という返事もできない、まして「ありがとう」などは思っても口にすることはできない子でした。ところが母や先生をはじめ、まわりの方々が何かと声をかけて下さって、少しずつ、少しずつ心を開いていった記憶があります。

道を歩いていたら「お前、○○の子だろう?」と言って上着のポケットの中にみかんを入れてくれたおじいさん。また「ちょっと待ちさいや」と、手作りの袋に炒り豆を入れて下さったおばあさんたちがいましたね。

本当は大きな声で「ありがとう!」と言いたかったのです。でも心の中はありがとうでいっぱいなのに、声に出すことはできませんでした・・・。あまりかわいくない子でしたね。でも、それでもいつも誰かが声をかけて下さっていました。

そういえば、ある方が「なぜか放っておけない、気になる子だった」と言われたことがありましたね。誰か私を守って下さっていたのでしょうか?

内心では嬉しくてたまらないのに、顔でも口でも表現することができなくて、コクンと頷いて立ち去るのが、当時の私だったように思います。

そのおかげで「言えなかったありがとう」がずいぶんたまっていましたね。いただいたものは、いつかは返さなければならないそうです。笑顔で挨拶は私の恩送りだったのでしょうね。

でもたったそれだけのことで、涙まで流して喜んでくださる人がいるというのは意外でした。ポツリポツリと当時のことを懐かしそうに話されるおばあさんの涙を見ながら、幸せな気分になりました。やはり、人は人の中に生きてこそ幸せになれるのだなあと思った出来事でした。


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