ナツメブログ

田舎暮らしをより楽しむ主婦のブログ

一度だけ・・・聞きたくなかった「ありがとう!」

「ありがとうは魔法の言葉」と言われます。

ある方が「ありがとうの言える自分になることはもちろんだが、大事なのはありがとうを言って貰える人になることだ」と教えて下さいました。

第三者からいただいた「ありがとう」は、知らず知らずのうちにその人の“徳の貯金”となって幸せをもたらしてくれるのだそうです。だから幸せになりたい人ほど“ありがとう貯金”を増やすことが大切との教えでした。

言っても、言われても「ありがとう」は嬉しい。本当に魔法の言葉だと思います。でもたった一度だけ、この「ありがとう」だけは言って欲しくなかった、聞きたくなかった・・・と思ったことがあります。

一戸建ての借家が並ぶ一画に引っ越した時のことです。四軒の中で一番庭も広く、道路に面した家に住むことになりました。男の子二人ということもあって、鶏を飼うことにしました。

大家さんから廃材をいただき、鶏小屋は私が作りました。いつの間に大工仕事を覚えたの?というくらいに上手にできましたね。そして、近所で求めたオンドリ一羽、メンドリ二羽を飼い始めたのです。

ところがメンドリが二羽ともネコに取られてしまいました。ネコと言っても普通のネコではありません。「ゴン太」と地元の人が呼んでいるノラネコでした。普通のネコの三倍くらいの大きさで、大親分の貫禄十分。すごみがありましたね。

どんな手段を使ったものか、鶏小屋にいながらにして、一羽、また一羽とやられてしまったのです。

せっかく可愛がっていたのに・・・と嘆いていたら、一番奥の借家にいたNさんが高価なものだと言ってゴイシチャボのひなを二羽分けてくださいました。

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ゴイシチャボと言うのは日本ニワトリの一種。愛玩用として親しまれた小型の品種だそうです。名前のとおり、碁石のような点がまだらに入った白と黒の可愛いチャボでしたね。

またゴン太にやられるといけないので、しばらくは家の中で段ボールで育てて、鶏小屋に入れました。ウロウロと、あちこち歩き回るので、子ども達は「アッチー」「コッチー」と名前をつけて可愛がっていました。

ところがまたしてもゴン太の手にかかってしまいました!

残されたオンドリは寂しかったのでしょうかね。それともメンドリがゴン太に襲われた時の恐怖が、彼に眠っていた能力を目覚めさせたものでしょうか?

カラスのように飛ぶことを覚えたのです。空中散歩とまでは行きませんが、屋根の上、はたまた川向こうの林の大木の上にと、羽ばたくようになりました。ニワトリが飛ぶなんて!生まれて初めて見ましたね。

夕方になると、私はたもを振り回してオンドリを捕まえるのが日課になりました。しんどい仕事なので、「なんとかならないかしら?」とNさんに相談したら「私がいただきます」と二つ返事で引き受けて下さいました。

私が子どもの頃は、田舎ではニワトリが卵を生まなくなると自分の家でさばいていましたから、あまり抵抗はなかったのですが・・・。

翌日、Nさんは私の顔を見るより先に言いました。「奥さん、あれおいしかったですよ!ありがとう!」と。そしてその二週間後くらいに「昨日うちのチャボを山に捨てに行ってきました。殺すのはかわいそうなもので・・・」と言われたのですね。

ご自分のチャボは「かわいそう・・・」そして私のチャボは「おいしかったですよ!ありがとう!」

黙っていて欲しかった・・・。私の人生でたった一度の聞きたくなかった「ありがとう」です。


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