昨年の秋、生け花用麦“笹の雪”を植えました。これははだか麦の観賞用種で、冬期に斑が入りますとてもきれいです。
小学生の時、母と一緒に麦踏みをしたことを想い出しながら麦踏みもしました。カニ歩きのように、しっかりと踏みつける作業はとても楽しかったですね。
「こうすると麦がしっかり育って収穫が増えるのよ」と母に教えてもらったことを想い出しながら3回踏みました。
そのおかげか麦は順調に育ち、5月には刈り取りました。生け花用にカットしたり、ドライフラワーに欲しいという友人に分けてあげたりとずいぶん楽しませてもらいましたが、あとは畑に入れました。
もともとシキワラの代用品として育てたものですから、ズッキーニとキュウリのもとに置きました。
子供の頃、麦刈りをした時に麦のイガが首すじにあたるととても痛かったこと、またストロー状の茎を使ってみんなで三角や六角のカゴを編んだことを思い出しました。
大きさを競い、出来映えを競って、それを持って山にイチゴを摘みに行ったものです。当時はヤマイチゴや木イチゴがたくさん採れたのです。
いろいろなことを思い出しながら麦を育てましたましたが、一番懐かしい思い出は、収穫したはだか麦を炒って石臼で挽き、はったい粉を作ったことです。
当時はどこの家にも大きな重い石を2つ重ねてまわす“石臼”がありました。母と差し向かいに座って、2人で協力して石臼をまわすのです。重労働と言えば重労働でしたね。
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石臼の右側には、木で作った持ち手があり、左側には炒った麦を投入する穴があけてありましたね。さあ、その穴の大きさはどの位だったのでしょう。記憶にありません。石臼には上臼と下臼があって、この2つがすり合わさって、炒り麦がはったい粉になっていくわけです。
「炒り麦はたくさん入れすぎても少なすぎてもいけないよ」と、母は教えてくれました。「このくらい?」と何度も尋ねながらやっているうちに、じょうずにできるようになった時は嬉しかったですね!雨の日とか秋の夜長を利用して、2人でゴロゴロと石臼をまわしたものです。
いつも忙しく働いている母とゆっくり話のできるこの時間が、私はとても好きでした。ずいぶんいろんな話をしたと思うのですが、会話の内容は何も覚えていませんね。(笑)
でも話しながら、知らない間に何か大切なものをもらっていたのだと思います。何事も体験というのは素晴らしいものですから・・・。
はったい粉ができあがると、みんなで黒砂糖をいれて、練って食べました。私は今でもこの食べ方で、毎日昼食後に食べています。
はったい粉は小麦粉と比べると、カリウム4倍、マグネシウム7倍、鉄3,5倍亜鉛9倍、食物繊維6倍だそうです。便秘解消や高血圧にもいいそうですから、日々の暮らしの中にぜひ取り入れたい一品です。
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