薬味は料理の引き立て役。食欲を増進させたり、風味を添えるだけのものと考えていましたが、「薬」の字が使われているだけあって、それぞれに効果効能があるようですね。
ネギ、大葉、みょうが、三つ葉、わさび・・・と、薬味といわれるものを思い浮かべてみたら、普段なにげなく、当たり前として使っているそれらがスーパースターに思えてくるから不思議です。
中でも一番よく利用されているのはネギではないかと思うのですが、ちょうど一年前、私は面白いネギと出会いました。
「所変われば品変わる」ということわざがありますが、まさにそのとおり!
皆さんは「櫓ネギ」というネギをご存知でしょうか?
ちょうど一年ほど前のこと、私は友人のKさんから「Sさん、面白いネギがあるよ。植えてみない?」と一握りのネギを株分けしてもらいました。
Sさんの話によれば、これはうどん処讃岐に住む友人から分けていただいたものとのことでした。うどんと言えば讃岐。そしてご友人が、薬味用として栽培されているのが、この櫓ネギとの説明でした。
普通のネギは、5月頃ネギの頭にネギ坊主ができて、それが種になります。ところが櫓ネギは、ネギ坊主の代わりに珠芽(しゅが)と呼ばれるものをつけ、そこからいきなり小ネギが伸びてくるというのです。おもしろい増え方ですよね。
そしてその珠芽は、指先で簡単にとれるので、それを取って土に植えると簡単に根づくというので、興味津々やって見ました。面白いし、種をとって蒔くというひと手間もいりません。
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この珠芽の様子が「やぐら」に似ているところから「櫓ネギ」と呼ばれるようになったとのことです。他にもこの増え方や見た目がユニークなところから「灯台ネギ」「軽業ネギ」の名前もあるそうですよ。
増やし方は、この珠芽と呼ばれる小ネギを植えたり、親株を植え直してもいいようです。
親も子も、よく分けつ(株分かれ)するとのことですから、頼もしい限りですね。そして、夏には小ネギとして収穫して薬味に。親株は11月頃、鍋物などに利用することもできるとのことです。
私は昨年、10本ほどの株をおすそ分けしてもらいました。それは一年たった今年は20本くらいに増えていましたね。そしてそれぞれに珠芽がでて増えていくわけですから、まさにねずみ算的な増え方です。
しかも、種を蒔いたり苗を植え替える手間もいらない。プランター菜園を楽しんでいる方や、栽培面積の少ない家庭菜園にピッタリのネギだと思います。
もし手に入るようでしたら、ぜひこの櫓ネギを育ててみて下さい!
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