一軒の家に車2、3台は普通の時代。当然車両も多くなって、運転する方にとっては気の抜けない毎日かと思います。
ママチャリ以外は足のない私。いつも助手席に座っているだけですが、それでもときどきヒヤッとする瞬間があります。
ひと昔前は子供の飛び出しが多かったように思いますが、最近は、お年寄りのマナーが悪くなってきているのでは・・・と感じることが多くなりました。特に女性です。
それで思い出すのは祖母の友人だったOさんのことです。
老人車を押して、Oさんはよく祖母のところに遊びに来ていました。もちろん車の数は今の半分もなかった時代のお話です。
90歳近いというのに健脚。背筋もピンと伸びた大柄な人でした。
いつだったか、片道どのくらいかかりますか?と尋ねたら、40分くらいという答えが返ってきました。
よほどお元気でないと、そんなに長い時間歩き続けることはできません。何よりです・・・と言ったのですが、あとに続いた言葉がいけません。
「実はな、私はほとんど目が見えんのよ」と。
市の中心部を通って来るわけですから、交差点も信号もあります。コワイナー、私だったらとてもひとりで歩いてはこれないなあと思いましたね。
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いつだったか、赤信号を平気で渡っていたおばあさんがいた時に、私の隣にいたおじいさんが、大声で怒鳴りました。
「お前、なにしとる、信号は赤ぞ!お前は死んでもええかもしれんが、運転する者の迷惑を考えたことがあるのか!」とそれはそれはすごい剣幕で叱責しました。
それでも平気で渡っていたおばあさん、もしかしたら認知症だったのかも知れません。本人の気持ち、ドライバーの気持ち・・・と、複雑な思いにかられたことを思い出しました。
「Oさん、それでよく今日まで事故にもあわず無事で良かったですね」といったら、こんな答えが返ってきました。
「心配いりませんよ。私は目が見えんでもアチラ(車)が勝手に止まってくれます。」さらにビックリ!のお返事でした。
トシをとるほどに視野も狭くなり、反応も鈍くなるということをよく耳にするようになりました。相手にも迷惑かも知れないけれど、そうなった時、一番の被害者は自分です。
「車そこのけ、私が通る」の生き方は、危険すぎて、怖いですね。子ども達を見習って、右を見て左を見て、さらに右を見て、健やかな人生を楽しみたいものです。
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