実りの秋、食欲の秋。秋は私たちにたくさんの実りをプレゼントしてくれます。米・芋・栗・柿・りんご・・・と指折り数えていると、ワクワクしてきますよね。
ことに「新米」のシールを貼られたお米を見ていると、私は嬉しくなってきます。そして名脇役の“紫蘇の実”を連想するのです。
6月から薬味・天ぷら・いりこ味噌巻きと出番の多かった紫蘇も、今、実りの秋を迎えています。穂じそは紫蘇からの最後のプレゼントといったところでしょうか。
紫蘇の実は佃煮・塩漬け・ラッキョウ酢漬け・しょうゆ漬けなど、保存食として長くその香りとプチプチ感を楽しむことができます。
でも、その収穫期間はとても短いというのは辛いところですね。期間は9月中旬から下旬の2週間ほど・・・。というのも穂先に花が2、3残っているというタイミングが大切な野菜だからです。
花がたくさん残っている時はまだ実が少ないし、しごきにくい。かといって花が完全に終わってしまうと、穂が固くなって紫蘇の実のプチプチ感がなくなってしまうというキビシイ現実があるからなのです。
縄文時代にはすでに日本列島に渡来していたといわれる紫蘇。日本の代表的な香味野菜の一つで、鎮痛剤や解毒剤として利用されていたのではないかと書かれていた本もありました。
5000年前の種子が福井県の鳥浜貝塚、岩手県の鳩岡崎遺跡から発見されているそうですから、驚きですね。なお、紫蘇を野菜として利用しているのはわが国だけで、他国では薬として利用されているそうです。
そんな歴史に思いをはせ、先人に感謝しながら、毎朝穂じそ摘みに一生懸命の私ですが、期間限定というのはキツイですね!
高さ1m~1、5mのひと抱えもある紫蘇が20本くらいあります。かきわけるようにして歩きながらレジ袋の中に放り込んでいます。ころあいの穂じそは手が勝手に摘んでくれますが、今年はクマバチとミツバチが多くて閉口しました。
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そしてその後がまた大仕事。紫蘇の実をしごいていくのは根気のいる仕事です。先日友人に紫蘇の実をおすそ分けしたら、「出来上がったものをいただいた時はおいしかったけれど、やってみるとすごく時間がかかるのね!」と、驚いていました。
《材料》
紫蘇の実 200g
粗塩 40g(紫蘇の実の20%)
粗塩(分量外) 小さじ1
《作り方》
(1)紫蘇の実は指でしごいて重さを量り、塩の分量を決める
(2)紫蘇の実はよく洗って(ゴミや小さな虫がついていることがある)ザルにあげる
(3)(2)をボールにいれ分量外の塩を振って軽くもむ
(4)沸騰した湯でさっと茹で、冷水にさらしてザルにあげる
(5)冷めたらペーパータオルでギュッと絞って水気をとる。
(6)ナイロン袋に(5)を入れ、粗塩を入れてシャカシャカと振り、軽くもむ。
(7)空気を抜き、軽く重石をして冷蔵庫に入れる
(8)2、3日たって塩がなじんだら、保存容器に入れて完成
※実をしごく時、指先や爪はアクで真っ黒になります。気になる方は手袋をして下さい
※塩分が気になる方は、水に3~5分漬け塩抜きをすると美味しくいただけます
※冷凍保存する事もできます
※紫蘇ごはん、おにぎり、浅漬けなどに利用できます
余談になりますが、収穫が遅れて固くなった紫蘇の実は陰干しにしておくと重宝します。
咳止めの作用は葉よりも実のほうがすぐれているようです。紫蘇の実ひとつまみに熱湯を注ぎ、お茶がわりに飲むといいそうです。
また、気を整える、肺の働きを良くする、体を温めるなどの作用もあるそうですから、これからの季節を健康に過ごすためにもおおいに利用したいものですね!
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